訪問リハビリテーションの実際 ~ サービス担当者会議 ~

訪問リハビリでは、サービス担当者会議と呼ばれるご利用者様により良いサービスを提供するために情報共有をしたり、意見を交換する会議を行っております。

今回はサービス担当者会議とはどんなものなのか、会議の内容についてご紹介いたします。

 

1.サービス担当者会議とは

ケアプラン(居宅サービス計画)の確定に向けて、「情報共有」、「利用者・家族の意向の確認」、「それぞれのサービスの課題の解決」等を目的として、ケアマネジャーが開催し、ご利用者様・ご家族様と実際に介護サービス等を提供する介護事業所の担当者が参加して話し合う会議。

今後のサービス提供方法や、対応方法が大きく変わるきっかけになり得る重要な会議

 

2.会議の主な参加者

居宅介護支援事業所のケアマネジャーご利用者、ご家族様、介護サービス事業所の担当者、

医療機関の担当者、行政機関等の関係者、インフォーマルサービス等の担当者。

 

3.会議の実施場所

ご利用者様のご自宅、ご利用されている居宅支援事業所、もしくはご利用中の医療機関。

 

4.会議で話される内容

現在のご利用者様の状態、能力を踏まえた上で、今後必要となるサービスや福祉用具について。

サービス担当者間で留意しておく必要があるポイント。

 

 

 

 

サービス担当者会議での療法士の関わりとしては、

ご利用者様の現在の状況を参加者にお話する

転倒や怪我のリスクについてお話する、必要があれば参加者に適切な介助方法をお伝えする

福祉用具や介護サービスの導入に向けて、身体面・行動面での特性をご利用者様、ご家族様にお話して、利用を検討するサービス内容を提示させて頂く。

 

 

では、実際にどのような会議になるのか、参照例をみていきましょう。

 

【全体の援助方針】

膝痛と身体機能の低下により、支持物に掴まりながら歩行することは出来ているが、掴み損ねによる転倒のリスクがあり、安全な移動手段の確保について検討したい。

 

【サービスの内容】

・デイサービスの必要性について

身体機能の低下や膝痛により、支持性が低下しているため、転倒リスクが高まっている。転倒の不安から在宅中心の生活に切り替わるため、活動量の低下や、身体機能低下に繋がる可能性があるため、活動の機会としてデイサービスの利用を検討する。

・福祉用具の必要性について

膝痛に加えて、下肢筋力低下により、移動時の転倒リスクがあるため、安全な移動のために手すりや歩行器の導入について検討する。

 

【サービス実施時の留意点】

療法士より両変形性膝関節症による移動時での疼痛があり、疼痛回避により歩行時の下肢の安定性が低下しているため、荷重負荷軽減を図るため前腕支持型歩行器を検討。外出用は、介助者による移動や車両への積み込みのしやすさを含め、折りたたみ型の軽量歩行器を検討し、歩行面の安全確保と活動範囲の維持を図る。

 

上記のように、ご利用者様、ご家族様に寄りそったケアが行えるよう、サービス担当者が一堂に集まり話合いを行う場となっています。

 

訪問リハビリ

作業療法士 佐竹 正史